東野圭吾 殺人の門 レビュー

人が人を殺すときの感情に興味がある人におすすめ

普通の人が殺人犯になるとき、いったい何を超えるのだろうか

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くずとは関わるな

小学校からの幼馴染、倉持修。

彼に人生を振り回される私。

子どもの頃から変わらない、幸せを壊す悪魔。

悪魔は、暴力は振るわない。

それ以上に質の悪い ”口”

この口車によって周りの人間をも破滅へ導く。

ほとんどの人は根本的には変わらない

何度も騙される。

殺そうと思ったことも一度や二度ではない。

ただ、話をするとほだされる。

殺意が薄らいでしまう。

金銭的に援助さえも受けたりする。

今度こそはまともな人間になったのかと。

挙句の果てに、犯罪の片棒を担がされることになるとは思いもしない。

くずなのに金も伴侶も手に入れる

人生を滅茶苦茶にするこんな人間になぜ金が集まるのだろうか。

なぜこんな人間を伴侶に選ぶ人間がいるのだろうか。

それは口がうまいから。いつの間にか殺意が薄らぐ。

殺意の導火線に火は付くが、爆発には至らない。

どうやったら人殺しの領域に達することができるのだろうか。

殺人の門を超えるには

動機、環境、タイミング、その場の気分、それらが複雑に絡まり合って、人は人を殺すのだ。

また、引き金が必要な人もいる。あなたにはそれが必要だったのかもしれません。

これは作中の刑事の言葉。

本書は主人公の田島の幼少期からの成長、取り巻く環境、家族の離散、父親の凋落などを通して、

殺意の行方が描かれる。

不幸の元にはあいつがいる。

あの時殺していれば、あるいは関係を一切断ち切ることができれば、こうはならなかったかもしれない。

でもそんなことできたのか?

いつでも逃げ切ることができるとは限らない。

自分ならどうするだろうか。

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この記事を書いた人

HSP、多汗症に悩まされる。仕事をがんばるも適応障害となり休職。現在も復職した会社で就業中。復職は果たすが元通りの体調とはいかず、人間関係がストレスの種。親知らずの抜歯で入院とトラブルが絶えない30代。なにもかも面倒、髪を切るのも面倒でセルフカットに目覚める。
社会の理不尽、人間不信をこじらせる。ネットの情報もあてにならない為、自分の経験したことをこのブログで記していきます。誰かに届け。

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