
本書の主題がこちらです。
最近よく耳にする多様性という言葉。
この言葉の意味を複数の登場人物から、本書は深く読み解いていきます。
あなたが何不自由ないマジョリティ側なら、共感することは難しいかもしれません。
ただ、あなたの隣に確かにある現実です。
理解できる範囲、自分に危害が及ばない範囲でしか人は多様性を受け入れられない
あなたはマイノリティの苦悩をリアルに想像できるだろうか。
同性愛婚を認めないことが最近では問題になっている。
社会が壊れてしまうと。
自民党には同性愛者の苦悩は想像できない。何か自分達に危害が及ぶと思っているから受け入れることができない。
統一教会の教義に反するから受け入れることはできない。
多様性を受け入れようとメッセージを出しつつも、全てを受け入れるわけではないのだ。
本書には水に性的興奮を覚える人物が登場する。
正直私もその嗜好は理解できない。
大多数の人間が抱く欲の対象は社会で普通に発散する場所がある。街中に当然にラブホテルはあるし、
コンビニにコンドームは売られている。
しかし、水風船はなかなか手に入らないし、それを使える場所もない。
発散する場所がないのだ。
マイノリティは自分がマイノリティと自覚している。それをひけらかすこともない。
マジョリティも自分がマジョリティと自覚している。そしてマイノリティに迫る。自分はあなたを理解していると。
無意識に大枠にはめようとしてくる。
気にする必要ないなんていいながら。他人事だから。
自分は多汗症で手術までした。それを今も隠しながら生きている。
この生きづらさは同じ症状を持つひとでないと理解できないだろう。
大丈夫だよなんていわれると殺したくなる。
何も望んでいない、ただ放っておいてほしいだけなのにそうさせてくれない。
そのことに対してマイノリティは社会に対して強い復讐心を抱くのだ。
